最近、NFTやWeb3.0といったワードが話題となっていますが、その際にDAOという言葉をよく目にするのではないでしょうか。
しかし、DAOについていまいちわからないと感じている人も多いのではないでしょうか。
この記事では、DAOの概要や成り立ち、種類についてなるべくわかりやすく、簡単に解説してみたいと思います。
※ 分かりにくい点はコメントをいただけたら、追記・修正などをして、更新したいと思いますので、コメントいただけると嬉しいです。
最近よく聞くDAOってなんだろう?
DAOのことなら私にお任せだお
ひょっとしてあなたは八百万(やおよろず)の神様?
いいえ、私はDAOよろずの神だお
そ、そうなんですね。
ねぇ、DAOよろずの神様、DAOって何なの?
DAOとは分散型自律組織のことだお
ブロックチェーン上で世界中の人が管理・運営しているグループで、誰でも参加が可能なんだお
メンバーが共同で所有・運営するグループで中央集権的な管理者は存在しないんだお
プロジェクトに資金提供したり、NFTを収集したりと、それぞれのグループの目的は様々なんだお
DAOとは?
DAOとは「分散型自立組織(Decentralized Autonomous Organization)」の略称です。
ブロックチェーン上に構築された、世界中の人が管理・運営している組織であり、国籍や年齢、性別に関係なく誰でも参加が可能です。
最大の特徴は、これまでの組織と異なり、特定の中央集権的な管理者は存在しないということです。DAOの運営方針やルールはガバナンストークンを所持したメンバーの投票によって平等に決定されます。DAOは最も民主主義的な組織と言えるのではないでしょうか。
また、DAOはブロックチェーン上に構築されるため、データの改ざんが難しく、履歴も全て閲覧可能です。さらに、DAOはプログラムコードを一般に公開することで、透明性・公平性を保持しています。
イーサリアム公式HPでは、下記のように定義されています。
- 中央集権的なリーダーシップが不在のメンバー所有のコミュニティ。
- インターネットの見知らぬ人と協力する安全な方法。
- 特定の目的に資金を委ねるのに安全な場所。
DAOの目的と仕組み
DAOの目的は様々です。あるプロジェクトに資金提供をするDAOもあれば、NFTを収集するDAOもあります。また、仮想通貨もDAOの一つです。皆さんがもっとも良く耳にするであろう仮想通貨のビットコインもDAOの一つといえるでしょう。
それでは、DAOに参加するにはどうすればよいのでしょうか。DAOに参加するためには、ガバナンストークンを購入する必要があります。
上述いたしましたが、DAOには特定の中央集権的な管理者が存在せず、DAOに参加しているメンバーの投票によって、組織の意思決定が行われます。この投票を行うためには、DAOによって発行されたガバナンストークンという仮想通貨が必要になります。つまり、ガバナンストークンを購入することで、DAOに参加し、投票権を得ることができるのです。
それぞれのDAOで意思決定の必要が生じた際は、ガバナンストークンで投票を行い、過半数以上の賛成を得ることにより、スマートコントラクトによって契約や取引が自動的に実行されます。
なお、投票権を得ることのできるガバナンストークンの保有量はDAOによって異なります。ガバナンストークンを1枚持っていれば投票権を得ることができるDAOもあれば、一定量(たとえば10%など)のトークンを保有しなければ投票権を得ることができないDAOもあります。
DAOのメリット・デメリット
DAOのメリット
透明性・公平性が高い
DAOはブロックチェーン上に構築されているため、データを改ざんすることが非常に難しく、全ての取引履歴が閲覧可能であるため、極めて高い透明性を持っていると言えます。
また、世界中の誰でも参加が可能であり、ガバナンストークンを保有することにより、投票権を得ることができるため、極めて公平性が高い組織であるとも言えます。
資金調達が可能
DAOに参加するためには、ガバナンストークンを購入する必要があります。DAOはこのガバナンストークンの発行によって、多くの資金を調達するとが可能です。将来性や人気のある有望なDAOであるほど、多額の資金を調達することが可能です。
DAOのデメリット
セキュリティ面でのリスク
DAOはブロックチェーン上でに構築されるため、常にハッキングのリスクが付きまといます。
「The DAO」がハッキングされた有名な事件はご存じの方も多いのではないでしょうか。「The DAO」はイーサリアム上に構築された投資ファンドです。2016年、「The DAO」はプログラムの脆弱性をつかれ、約360 万ETH(当時約52億円)を盗まれるという事件が発生しました。
なお、ハードフォーク(取引の無効化)を実行することで、盗まれたETHを取り戻すことに成功しています。ハードフォークの実行に当たっては、事前に投票が行われ、約90%の賛成票を得ています。
意思決定に時間がかかる
DAOは、投票を行い意思決定を行うため、極めて高い公平性があるというメリットを持っていますが、それゆえに、意思決定に時間がかかってしまうという懸念があります。大規模なDAOになるほど、この影響は顕著になってくると思われます。
スピード感が求められる事案や、不測の事態が起こった際に、意思決定に時間がかかることは、デメリットとなってしまいます。
法整備がなされていない
DAOに関する法律はまだまだ整備されていません。(2022年7月現在)
ハッキングにより、資産が盗まれた際も、補償を受けることができないというリスクが付きまといます。今後、法整備が進んでいく可能性もありますが、現時点では、見通しは立っていません。
DAOの事例
ここでは、いくつかの具体的なDAOの事例を紹介いたします。
BitCoin(ビットコイン)
仮想通貨といえばまず初めに思いつくであろうビットコインもDAOの一つです。ビットコインは、世界で初めて、完全な形で運営されているDAOと言われています。
ビットコインはブロックチェーン上に構築されており、開発当初のプログラミングにより決められたルールに従って、メンバー間で「送金」を行う仕組みです。
なお、ビットコインにはガバナンストークンはありません。ビットコインの発行はマイニング(採掘)のみによって実現します。
和組
和組は、Web3の最新情報を共有・議論するオープンなコミュニティです。
Discord上で運用されており、Web3.0全般(DeFi, DAO, Crypto, NFT, Blockchain, Metaverseなど)のトピックを対象に初心者から起業家まで幅広く所属しています。
『日本をweb3立国へ』を一つの目標として位置付けており、Web3.0体験・学習を通じて、リソースや知見を共有することで、質の高いコミュニティの形成や起業家への支援を提供してくことを掲げています。
山古志DAO
新潟県にある人口約800人の限界集落旧山古志村(現長岡市)が電子住民票を兼ねたNFT(NishikigoiNFT)を発行して話題となりました。
山古志DAOの目的は、バーチャル上に、人・モノ・金・情報が継続的に集まるコミュニティ「山古志」を形成 し、現実の山古志地域にある地域課題の解決策や地域活性化を、地域住民とともに検討し実践していくものとうたわれています。
NFT購入者には、バーチャル上の住民票が付与されます。バーチャル上の住民は、Deiscord上に設けられたコミュニティチャットを介して、意見交換や投票を行い、メンバーが仕事を請け負うなど、デジタル上での地域づくりを目指しています。
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