NFTの有名アーティストとそのアート作品についてまとめてみた(2022年版)

NFTアート作品紹介 | NFTの有名アーティストとその作品についてまとめてみた(2022年版)

NFT初学者には一体これまでどんなアート作品がマーケットに出回ったか、これまでのトレンドや取引金額などを知りたいという人もいらっしゃると思います。ここではそういった方向けのまとめとして、どんなアート作品があり、アーティストがいるのか、について記載してみたいと思います。これからアーティストとしてNFTに参画したい人やアート作品への投資を考えている人の参考になれば幸いです!

ギャル男

ちっす、インターネット神様。NFTで手っ取り早く儲けたいんすけど、どんなのに投資すればいいか分からないんすよね。教えてくれっす。

インターネット神

おお、ギャル男か。随分よこしまな動機で関心せんのう!
とは言え、誰しも気になるじゃろうからな。解説してやらないこともなくなくなくはないぞ。

ギャル男

ちょっと〜〜〜〜、どっちなんすか〜(笑)

インターネット神

ふぉーふぉっふぉっ。冗談じゃよ。どんなものが人気が高いのか、まずは有名なコレクティブル作品を並べて傾向を見てみるぞ。

目次

有名なコレクティブル作品

有名なコレクティブルNFT作品について、それぞれの数字的な特徴をまとめると次の表のようになります。コレクティブルだけあって、点数は1万点近くまたはそれ以上のものが多いですが、総取引額や最低落札額については、まちまちです。

有名作品ほど最低落札額は当然ながら高く、総取引額も大きいです。現時点での人気度を図る上では、総取引額や最低落札額、最良提示額などが参考になることがわかります。実際に投資するとなった場合は、ロードマップやアーティストのプロフィールなども確認し、将来性をはかることも重要になりそうです。詳細は、「NFTのコレクティブルって何?」でも解説しているので、よろしければ、ご一読ください。

スクロールできます
名前点数
items
所有者数
owners
総取引額
total volume
最低落札額*
floor price
最良提示額*
best offer
CryptoPunks10.0K3.5K952.1K
Bored Ape Yacht Club10.0K6.4K633.3K9890.78
Mutant Ape Yacht Club19.4K13.0K429.7K19.4518.31
Clone X19.3K9.5K219.1K11.2910.16
Loot (for Adventurers)7.8K2.6K74.5K1.10.84
Azuki10.0K5.1K254.1K12.5911.15
Hashmasks16.4K5.2K42.5K0.370.32
Kawaii Skull10.0K4.2K7910.02
OpenSeaのStatsを表示(2022/7/10時点)
* 単位: ETH

有名なNFTアーティストとそのアート作品

次にNFTの世界で有名なアーティストとその作品についても見てみたいと思います。

Beeple / Everydays – The first 5000 Days

NFT作品の中で最も有名なものの一つ、かつかなりの高額で売買されたのがMike Winkelmannこと、アーティストBeepleによる作品、”Everydays – The first 5000 days”です。Beepleは2007年以来自身のサイトでデジタルアート作品(トランプ元大統領や有名なキャラクターなども時折モチーフとして描く独特の作風で彼自身の妄想を具現化した作品群)を毎日欠かすことなく、発表し続けています。これらの作品のうち1日目から5000日目までをコラージュしたNFT作品が”Everydays – The first 5000 days”で、オークションハウスとして有名なクリスティーズで2021年に競売にかけられ、6934万ドル相当の価格(当時)で落札されています。

EVERYDAYS: THE FIRST 5000 DAYSでは、繰り返しのテーマと配色をつなぎ合わせ、ひとつの美的価値を作り上げました。緩やかな年代順に構成され、個々の作品を拡大すると、抽象的、幻想的、グロテスク、不条理な絵が、時事問題や深く個人的な瞬間と一緒に見えてきます。テクノロジーへの執着と恐怖、富への欲望と憤り、アメリカの近年の政治的混乱など、社会が抱える問題が作品に頻繁に登場します。

クリスティーズの作品紹介を意訳
BeepleによるコラージュNFT作品、Everydays - The first 5000 days。
Everydays – The first 5000 days
(引用元: クリスティーズ

Beepleは、サウスカロライナをベースとするデジタル・アーティストで、ルイ・ヴィトンやナイキを始めとする世界的に有名なブランドとのコラボをしています。グローバルブランド以外にもケイティ・ペリーやチャイルディッシュ・ガンビーノなどのアーティストともコラボレーションしています。インスタグラムのフォロワーは記事執筆時点で250万を超えるインフルエンサーでもあり、現代のデジタルアートを代表する人物の一人と言えそうです。
メタバース空間で誕生した最初の人間を題材にしたNFT作品、”HUMAN ONE“を2021年9月に発表しています。HUMAN ONEは物理とデジタルのハイブリットの彫刻作品で、Beepleは今後も手を加えて”創造的に進化”させるという趣旨のことを述べています。

BeepleによるNFT作品、HUMAN ONE。物理とデジタルのハイブリット作品。
HUMAN ONE
(引用元:クリスティーズ

Pak / Merge

正式にはMurat Pakという名前のアーティストで、素性は明かされていませんが、一節にはアーティスト集団ではないかとも言われています。AIによって選定されるキュレーションメディア、Archillectを主催していることでも知られています。

Pakのキュレーションメディア、Archillectのサイトをキャプチャーした画像
Pakのキュレーションメディア、Archillectのサイト
(引用元:Archillect

前述のBeepleは、NFTについて調べ始めたときにPakにたどり着いたとクリスティーズのインタビューで語っています。Pakは、Beepleに対して、NFT作品とは何か、その入門の手ほどきをしたと言われています。

Pakの作品の特徴は幾何学的な構成、プラグラムで作られた画像という点にあります。最も有名な作品は”Merge”で、2021年12月にNifty Gatewayにて、合計約9180万ドル(当時価格)で売買されました。特殊な方法で販売され、Mergeのトークンを多く購入するほどNFTの見た目も大きくなるというものです。約9180万ドルというのは合計金額で、28983名によって合計312686の”Mass”(塊)が購入された結果の金額です。

Pakの最も有名な作品Merge。ブロックチェーンの仕組みを活かしながら、コードによって作られたNFTアート作品
Pakの最も有名な作品Merge。ブロックチェーンの仕組みを活かしながら、コードによって作られたNFTアート作品
(引用元:Nifty Gateway

Pakは新たな仕組みを用意した。販売を行う48時間中は、望むだけの”Mass”(塊)を獲得することができる。Mergeのトークンが購入者のウォレットに転送されるたびにウォレット内のトークンとマージされ、価値が加算された後、一つのトークンになる。

Nifty Gatewayの作品紹介のページより抜粋、意訳

“The Merge”以外も含む全作品のトータル販売金額を考慮すると、現時点で最高位にいるアーティストと言えそうです。

XCOPY / Right-Click and Save As Guy

XCOPYも素性が明かされていない匿名のアーティストです。作風は、グリッチアートと呼ばれるジャンルです。短いループ動画(gif画像くらいの長さ)の作品で、死、ディストピア(ユートピア=楽園、の反対語)、無関心をテーマとしています。”Glitch”(グリッチ)とはエラー、不調といった意味の英語で、映像に意図的な乱れを表示させる芸術表現のことです。

最も有名な作品は、”Right-Click and Save As Guy”です。点滅するイメージと目を引く唇の動きがループ再生されている動画作品です。タイトルは、”右クリックして保存する奴”という意味で、NFTアート作品の価値や可能性に対して否定的な考えを持っている人を皮肉って表現したものだと思われます。2021年12月に約700万ドル(当時レート)で売買されました。

Right-Click and Save As Guyの画像イメージ。点滅イメージがループ祭せされるXCOPYによるNFTアート作品
Right-Click and Save As Guy
(引用元:OpeanSea

他にも、”A Coin for the Ferryman”という作品が有名です。2018年に139ドルで購入したユーザーがその後、約600万ドルで販売しています。二次販売の際には、アーティストに対して10%の約60万ドルが支払われているようです。

A Coin for the Ferryman, 匿名アーティストXCOPYのNFT作品
A Coin for the Ferryman
(引用元:SuperRare

Tyler Hobbs / FIDENZA

Tyler Hobbsはもともとコンピュータープログラマーで、オープンソースの世界でも有名なソフトウェアの開発なども行っていた経歴の持ち主です。得意とするのは、ジェネラティブアート(Generative Art)と呼ばれる領域です。ジェネラティブアートとは、プログラムによってアートを作る手法です。描画を行うためのアルゴリズムを考え、それをコードにすることによって芸術的表現を実現するものです。

ギャル男

ア、アルゴリズム?

インターネット神

アルゴリズムとは計算の仕方のことじゃ。料理を例にすれば、ラーメンの作り方は肉や野菜からスープをとり、麺を茹でてという順番で作っていくが、このような手順のことをアルゴリズムと言うんじゃよ。

インターネット神

ジェネラティブアートの場合、線をどう書くか、色をどう塗るかといったことをプログラムで記述するということじゃな。

最も有名なものがFIDENZAで、999点のNFT作品からなるシリーズです。別記事でも紹介しているArt Blocksでも取り上げられている作品シリーズです。本人談として、これまで開発した中で最も汎用性のあるアルゴリズムと述べており、予測不可能性とクオリティのバランスを絶妙に取っていると語っています。

Fidenza #313: チューリップとも呼ばれる作品。意図せず偶然に花のような形になった
Fidenza #313: チューリップとも呼ばれる作品。意図せず偶然に花のような形になった
(引用元:OpenSea

Dmitri Cherniak / Ringers

Dmitri Cherniakはカナダ出身のアーティストで、Tyler Hobbs同様にジェネラティブアート領域のアート作品を制作しています。最も有名な作品シリーズはRingersで、これもまたArt Blocksでキュレーションされている作品シリーズになります。

Art Blocksのインタビューで、彼は、”成功しているプロジェクトは、コレクターや鑑賞する人に何か新しく、予期しないものを教えてくれる”と述べています。ジェネラティブアートに限らず、際立った特徴や新しい要素を見せる、ということが大切なことなのかもしれません。

Ringers #109 | Dmitri CherniakによるNFTアート作品
Ringers #109 | Dmitri CherniakによるNFTアート作品
(引用元:OpenSea
インターネット神

今回紹介するのはここまでじゃが、他にもmattdesl, Hackatao, richlord, Monica, Rizoolli, FEWOCiOUSなどが有名なNFTアーティストじゃ。

ギャル男

今回の紹介を見ると、単に芸術性だけじゃなくて、他にも特徴がある作品が多い感じがするっすねー。

インターネット神

そうかもしれんな。それに加えて、クリプトアート界が盛り上がる以前から活動しているアーティストが多いとも言えるかもしれんな。

インターネット神

大きなムーブメントが起こる前に、将来の可能性を信じて、その分野で活動する。これが成功要因の一つかもしれんな。web3.0やNFTの世界の可能性はまだまだこれからと、わしは信じておるぞ。

ギャル男

おっし、インターネット神様の言葉を信じて、俺も一山当てるっす!!

インターネット神

全く、現金なやつじゃのう。
ふぉーふぉっふぉっ。

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この記事を書いた人

After joining IBM in 2004, the author gained extensive experience in developing and maintaining distributed systems, primarily web-based, as an engineer and PM. Later, he founded his own company, designing and developing mobile applications and backend services. He is currently leading a Tech team at a venture company specializing in robo-advisory.

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