Web3.0とは?1ページで分かりやすく解説!!

Web3.0とは何か?1ページで分かりやすく解説してみる

Webが世の中に登場したのは1990年からと言われています。初期のWebをWeb1.0とするならば、現在のWebはユーザーのインタラクションを含む、Web2.0の時代と言えます。Web3.0とはWeb2.0の問題点を改善するために考えられている未来のWebの形です。大枠が定義されつつある状況ですが、なかなかWeb3.0と言われてもまだまだバズワードでピンときません。その全体像、またこれが必要となる背景は理解しにくいところがあるためです。
同じように思っている方々が腹落ちすることを目指して、Web3.0について解説してみたいと思います。

インターネット神

やや、これは、おおぐろさん。

大黒さん

おおぐろちゃうで、だいこくやで。
なんや、自分。バーチャル以外興味なしかいな。

大黒さん

まぁええわ。最近耳にするWeb3.0って要は何なん?

インターネット神

うむ。Web3.0じゃな。バーチャルなことならわしにおまかせじゃ笑
まずは、これまでのWebの振り返りから解説して見るかのう。

目次

Web1.0 – 初期のウェブ

初期のWebは、画像やテキストを中心とする静的なサイトをユーザーが読むという形が最も一般的な使い方でした。この特性から、”Read-only”(読み取り専用)とも言われています。

この頃(特に初期)は、個人がサーバーを用意して、Webサイトを開設するというのは技術、インフラ、コストの面からもハードルが高かったのも特徴的で、企業が所有するサイトが中心でした。ブロードバンド、モバイル、クラウドなどの登場によって徐々に現在の形へと変貌していきます。

Web1.10では企業が提供する静的コンテンツを閲覧するのが主でした
Web1.10では企業が提供する静的コンテンツを閲覧するのが主でした

Web2.0 – 現在のウェブ

2004年頃からソーシャルメディアをはじめとして、今存在するようなサービスが登場し、一般的に使われるようになりました。この頃から、ユーザーは単にウェブサイトを訪問して閲覧するというだけではなく、自らがコンテンツを投稿するようになって、”Read-Write”(読み書き)なウェブになりました。

特徴的なのはプラットフォームの上でユーザーがコンテンツを作成し、ユーザー同士のインタラクションが発生するようになった点です。ユーザーのコンテンツが増えるとともに、プラットフォームの魅力や価値も上がるようになりました。結果として、プラットフォームを持つ会社はとても大きくなり、ウェブの世界を少数の巨大なプラットフォーマーが支配するようになりました。

ここで言うプラットフォーマーとは、GAFAを始めとするWebサービスを提供する企業のことです。多くの人が今日常的に使っているサービスを提供している会社たちです。

Web2.0では巨大企業の提供するプラットフォーム上で、ユーザーもコンテンツを作成するようになりました
Web2.0では巨大企業の提供するプラットフォーム上で、ユーザーもコンテンツを作成するようになりました

多くのユーザーにとって利便性が著しく高まった一方で、ユーザーは特定のプラットフォームに依存するようになり、これらの規制にさらされたり、また個人情報やユーザーの行動履歴がプラットフォーマーによって利用されたりということが発生し、このことは社会的に影響を及ぼす事象となりました。

例えば、アップル社に業務委託として勤務していたトーマス・ルボニエック氏は、iPhoneやiPadに搭載するSiriが録音した利用者の実音声を確認する業務をしていたということをメディアに告発した事例があります。個人を特定できない状態で保管していたとは言うものの、倫理的な問題を指摘され、後に同社の謝罪につながっています。

他にもフェイスブック(現メタ)に登録されているユーザーの情報が悪用された、ケンブリッジ・アナリティカの事件をはじめとして、周辺企業を含め、個人の情報がデータとしてユーザーの知らないところで”活用”されていた事例があります。いずれも過度にこれらの巨大なプラットフォーマーに依存し、彼らを信頼することを基盤にしている仕組みのために発生している問題と言えそうです。(詳細は日経ビジネスの記事に詳しく記載されています。)

Web3.0 – 未来のウェブ?

”Web3.0”という言葉自体は、Ethereumの共同創業者であるGavin Woodによって2014年に提唱された概念*です。Web2.0の世界で問題となっていた課題を解決するために、ブロックチェーンを基盤とした、”より良いインターネット”を実現するということを志向した新しいウェブの世界がWeb3.0です。Web3.0は次のような特徴を持っています。

* … より正確には、WorldWideWebの生みの親であるティム・バーナーズ・リーも2006年にWeb2.0の次の形として提唱していましたが、ティム・バーナーズ・リーの思い描いた方向性とは違った形になっているのが現在です

  • 一部の大企業が中央集権的に管理するシステムを”信頼”する代わりに、ブロックチェーンの技術的な仕組みによってシステムが正しく動くことを担保する(つまり、特定の組織に依存する必要がない)
  • Web3.0は、ネイティブな支払い方法(=暗号通貨)を備えている
  • Read-Write-Own。読み書きに加えて、”所有”の概念をインターネットに持ち込んだ
    • ブロックチェーンには、ユーザーがいくら暗号通貨を持っているかとかどんなNFTアートを所有しているかが記録されてています(厳密にはユーザーのアドレスなので、ユーザーは特定できません)
Web3.0では、分散的にウェブは機能し、所有の概念がネットに持ち込まれました。
Web3.0では、分散的にウェブは機能し、所有の概念がネットに持ち込まれました

Web3.0がもたらす最も大きい特徴の一つは、プラットフォームの支配の影響を受けないという点です。プラットフォームが突然のルール変更を行い、そのルールから外れるコンテンツを除外する(アカウントを凍結したり、削除する)といったことはWeb2.0の世界では稀にあることですが、こういった事象がWeb3.0では発生しなくなります。

大黒さん

そういえば、Twitterアカウント凍結されとるやつおるよね。

インターネット神

そうじゃな。有名な例で言えばトランプ元大統領じゃろうか。最近もイーロン・マスク氏による買収でアカウントを復活させるさせないという論争が巻き起こったようじゃ。

大黒さん

Twitterの意向一つでアカウントが削除されたり、過去にせっせと投稿したコンテンツも水の泡になりうるっちゅうことやな。

もう一つの特徴は、”所有”の概念です。Web2.0の世界を例にすると、ゲーム内でアイテムを購入した場合、それはゲームの提供がサービス提供者によって終了した場合、何も意味を持たなくなります。一方で、Web3.0の世界では、ブロックチェーン・ネットワークが存在し続ける限り、ユーザーが特定のアイテムを所有することは記録として残り続けます。

新しい概念のもとに日に日に注目集める一方で、Web3.0に対しては、まだその価値を計りかねるとして、強い疑問の声もあります。Web2.0はあらゆるものをインターネットの世界へ持ち込み、デジタル化することによって、実質的な価値を世の中にもたらすものでしたが、Web3.0ではまだそれが起こっているとは言えないと主張されています。目に見える価値を生んでいない一方で、投機的に少数のインサイダーのみが大きな利益を得ているのが、現時点でのWeb3.0の本質的な姿である、とWeb2.0を提唱したティム・オライリー氏は指摘しています。

イーロン・マスクのツイート”誰かweb3を見つけた?私にはまだ見つからない”
それに対して、Twitterのジャック・ドーシーは”aからzの間のどこかにある”
(aからzは、有名なベンチャーキャピタルa16zを示唆)

彼の言葉を借りれば、Web3.0の真価は現在のバブルが弾けたあとに分かるのかもしれません。

(Carlota Perezの書によれば)まずはじめに、新しいテクノロジーへの基礎的な投資が行われる。その後、急速に発展し・強固になりつつあるマーケットで継続的に高収益を上げるために、金融資本が投機的熱狂に興じるようになる。この投機的なバブルが弾けた後に、より持続的な統合と市場の是正(過剰な市場権力の規制を含む)の期間があり、その後、新技術が社会に統合される成熟した「黄金時代」がやってくる。やがて技術が十分に成熟すると、資本は他の場所へ移動し、次の新しい技術革命に資金を提供し、このサイクルが繰り返される。

ティム・オライリーのブログを意訳
大黒さん

まだ怪しい分野っちゅうイメージやったけど、なんとも言えんフェーズやね。

インターネット神

そうじゃな。Web2.0の例で言えば、ドットコムバブルが弾けた後に、今わしらが使っているようなメジャーなサービスは誕生しておる。

インターネット神

そして、このバブルの崩壊後に誕生したサービスは多くのユーザーが日常的に利用するものである、という点がポイントじゃろうな。

ドットコムバブルが弾けたのは、まだ早い時期だったということを念頭に置いてください。Google Mapsはまだ発明されていなかったし、iPhoneやAndroidもなかった。オンライン決済も黎明期だった。TwitterもFacebookもない。AWSやクラウドコンピューティングもない。今日、私たちが頼りにしているもののほとんどは、まだ存在していなかったのです。

暗号についても同じことが言えると思います。まだ多くのものが生み出されていないのですから。Web3のビジョンのうち、安易な富を求めるのではなく、信頼、アイデンティティ、分散型金融といった難しい問題を解決することに集中しましょう。そして何よりも、暗号と人々が暮らす現実世界との接点に注目しましょう。住宅の不平等について語るとき、マシュー・イグレシアスが言ったように、「社会は長期的な資本財を蓄積することによって、時間をかけて裕福になっていく」のです。サル・デル・パルメが主張するように、Web3が新しい経済システムの誕生を告げるものであるならば、真の富を増大させるものにしよう。それは、早くから参入した幸運な人たちのための紙の富ではなく、すべての人にとって人生をより良くする実際の財やサービスなのだ。

ティム・オライリーのブログを意訳
大黒さん

つまり、まだ日常的に多数のユーザーが使うサービスが登場しとらんWeb3.0は評価する段階にはないっちゅうことを言いたいんやな。

インターネット神

うむ。一つの見方じゃが、そういうことじゃな。
だからこそ、面白いフェーズにあるとも言えるのう。

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この記事を書いた人

After joining IBM in 2004, the author gained extensive experience in developing and maintaining distributed systems, primarily web-based, as an engineer and PM. Later, he founded his own company, designing and developing mobile applications and backend services. He is currently leading a Tech team at a venture company specializing in robo-advisory.

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